最終更新日 2024年11月6日
①石油ストーブのメリット
最新の暖房器具が次々と販売されている中、昔から冬の暖房器具として私たちの生活に馴染みのある石油ストーブ。最近ではレトロな感じが逆に良いと評価され、再び注目を集めています。購入してみたものの石油ストーブの性能や使い方がよく分からない人も多いのではないかと思います。そこで今回は石油ストーブについて紹介していきます。
まず石油ストーブには反射式と対流式があります。反射式はストーブの前面に熱を集中させ、輻射熱も加えて部屋を暖めます。対流式は暖気か上昇し空気の流れを作るので、風が無くても部屋の空気をかき混ぜながら暖めます。どちらも部屋を暖める性能に優れています。
石油ストーブのメリットは部屋が乾燥しにくい点です。これは燃料である灯油が燃焼する際に水蒸気を発生させるからです。また火力としても使用できます。
よくストーブの上にやかんを置いている光景を見かけますね。やかんを置いておくとお湯も沸かせる上に加湿効果もあり、一石二鳥です。冬になると餅を焼く人もいます。いろいろ使えるので大変便利です。その結果、ガス代の節約にもつながります。
最大のメリットは災害時でも使える点です。電気を使用しないので、地震災害や停電などあらゆるシーンで暖を取ることができます。また野外で使用することも可能です。そんなに重くないので移動も難しくないでしょう。
音も静かで生活の邪魔になりません。部屋の片隅に置いておくだけで部屋を暖かくしてくれるとても優秀な暖房器具なのです。
②石油ストーブのデメリット
デメリットは使用する時の臭いです。灯油には独特の臭いがあります。慣れれば大丈夫だと思いますが、臭いに敏感や人や灯油の臭いが苦手な人には辛いかもしれません。それが原因で頭痛や吐き気を引き起こす場合があるので体質に合わないときは使用を控えた方がいいでしょう。
臭いに関してはある程度、防ぐことも可能です。自分でできる対策のひとつは灯油の劣化を防ぐことです。昨年の残りを使用する人もいるかと思いますが、基本灯油の消費期限はワンシーズンと考えましょう。
古い灯油は劣化が進み、不純物が混じっています。紫外線などでも劣化するので、きちんと保管しワンシーズンで使い切ることで臭いを防ぐことができます。
ストーブの芯を上げすぎたり、下げすぎたりすると上手く燃焼せず、臭いが発生しやすくなります。点火してから20~30分くらいは様子を見て、こまめに芯を調節しましょう。
芯が劣化していると点火しにくく、焦げ臭いにおいが発生します。芯はホームセンターやメーカー、通販で販売されています。型番を確認してから購入しましょう。交換の仕方も説明書に記載してあるので、難しくありません。
それでも改善されないときはストーブ自体の劣化も考えられます。ストーブの寿命は5~7年程度といわれています。灯油の減りが早くなったり、燃えにくいと感じたときは買い替えも検討してみてください。そのまま使い続けると火災の原因になることもありますので、十分注意してください。
③石油ストーブを効率よく使うコツ
燃焼を伴うのでこまめな換気が必要になります。換気をするたびに暖かい空気が外へ出てしまうので購入を悩む人もいるようです。温度管理が難しいのもデメリットのひとつです。
火を取り扱うため、火事や火傷の危険性があります。特に小さい子どもや高齢者、ペットと暮らしている人はいろいろと注意が必要です。ひとり暮らしの高齢者のお宅では消し忘れなどのトラブルもあります。
自治体やメーカーでは使用の際に一酸化炭素中毒の危険性も訴えています。そのため、マンションなどの集合住宅では使用を禁止したり、制限したりする場合もあるそうです。
またストーブを燃焼させるには灯油が必要です。灯油はなくなるたびにガソリンスタンドや店舗で補充しなければなりません。買いに行くのに手間もかかるし、灯油のポリ容器はとても重いです。メリットとデメリットがはっきりしているので、好き嫌いが分かれる暖房器具でもあります。
石油ストーブを効率よく使うコツは空焼きをすることです。長時間使用していると、だんだん芯の部分にタール成分が溜まってきて操作しにくくなったり、臭いが強くなったり、点火が遅くなったりします。これは構造上ある程度は仕方のないことですが、空焼きをすることで少し改善できます。
空焼きは灯油が無くなりかけた頃、芯をいっぱいまで上げ、自然に消えるまで待つだけです。その際に臭いが発生するので、可能なら野外で行うことをおすすめします。空焼き後に使用する時は灯油を補給し、芯の部分に灯油が染み出るまで待ってから点火しましょう。
シーズン終了後に片づけをする際も灯油を使い切ったあと同じように空焼きすると長持ちします。液漏れを防ぐため、乾電池を抜いてから保管します。
メリットとデメリットをきちんと理解してから使用すればとても便利な暖房器具です。環境破壊や地球温暖化が問題になっているこの時代に今一度電気を使わない暮らしを見直してみるのもいいかもしれません。改めて日本の冬の良さが感じられるでしょう。